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抄録のご紹介ページ(一般演題)

一般演題7・抄録/外来診療における取り組み


【7-1】キャップスクリニックの取り組み ー患者の受診時の困りごとに対するSNS配信の役割についてー
*小笠原 千尋1、*近藤 菜津美1、*太田 百香1、*大森 有紗1、*塚越 隆司1、*白岡 亮平1
1. 医療法人社団ナイズ

 キャップスグループでは、一都三県にある各クリニックごとにLINEを中心としたSNS配信を行っている。本 研究では、患者が求める情報の把握、適切な配信方法・配信時間を明らかにすることを目的とし患者アン ケートをもとに分析を行った。分析には当クリニックのLINE登録者を対象に実施したアンケート2,043件のう ち、23項目1,708件の回答を使用した。分析の結果、子供に関する不安について選択式で回答を得た項目につ いて、感染症の流行状況や受診判断の割合が多く、子供の年齢によってその割合が変化することが明らかと なった。一方で、グループ内のクリニック間でその割合に変化はみられなかった。また、保護者自身の空き時 間として深夜や週末が多いことが明らかとなった。以上の結果より、SNS配信においては地域差よりも子供の 年齢を考慮した情報提供の必要があること、配信タイミングとして夕方以降または週末の配信が適切であるこ とが示唆された。

【7-2】キャップスクリニックの取り組み ー患者が抱える受診時の困りごとについてー
*太田 百香1、*近藤 菜津美1、*小笠原 千尋1、*大森 有紗1、*塚越 隆司1、*白岡 亮平1
1. 医療法人社団ナイズ

 本研究では、患者が受診時に抱える困り事について、全体像を把握し解決策を見つけることで、患者に寄り 添った医療の提供へ繋げることを目指し、アンケート調査をもとに患者目線での小児科クリニックの課題につ いて分析した。アンケートは当クリニックのLINE登録者を対象に得た2,043件の回答のうち、23項目1,708件 を使用した。その結果、待ち時間に小児科クリニックの課題を感じる患者は多く、その対応策に待ち時間や進 み具合の表示を求める声が多かった。また、患者目線の待ち時間発生要因は、子供の年齢によって割合に変化 がみられた。さらに、体感待ち時間が常時長いと感じる割合の高いクリニックほど推奨度が減少しており、か かりつけ登録の有無でその割合に変化がみられた。以上の結果から患者が課題に感じる待ち時間への対応とし て、待ち時間の表示にニーズがあり、患者パターンに合わせた待ち時間対策を行なっていくことが重要である。

【7-3】こどもが喜ぶ外来の工夫
*高柳 直己1
1. たかやなぎ小児科

 小児科クリニックを開業して27年。学問的な話ではありませんが、子供が笑顔になる工夫を報告します。 ・玄関を入ると熱帯魚と金魚の水槽と「クラゲの水槽」。 ・天井近く、フクロウ、シマエナガのぬいぐるみな ど ・おもちゃ屋に売っていないような「オモチャ」 ・カウンターの下には「お話迷路」のポスター。 ・サン ダーバードの基地 ゴミ箱・点滴室の壁には、自慢の「Atmorph]できれいな景色の動画。 ・外は冬には建物を LEDで電飾。 ・診察ベッドは空飛ぶじゅうたんの遊園地。 ・診察のアイデア、一番の自慢は「ものまねきゅう ちゃん」による、口のなかの診察。 ・診察の合間の手品。アンパンマンの変身、消失。ジャンボ錠剤、スポン ジカプセルの出現。 ダイソーボールの色変化、スモールライトのどら焼き変化。 ・ラッキーくん、さるのパ ペットを使った演技、・ニコニコマスクなど  以上 の画像を供覧します。

【7-4】家族へ指導したホームケアの活用状況の調査
*山本 由起子1、野畑 利江1、横崎 奈美子1、鎌田 真実1、矢木 寛子1、秋山 由佳1、原 久美子1、尾﨑 美恵1、児玉 真美1
1. 神戸こども初期急病センター

 1.目的  神戸こども初期急病センターでは、診察後に家庭で行うケアや受診の目安について、用紙を用いて家族に説 明を行っているが、本研究で家庭での活用状況をアンケート調査を用いて把握したいと考えた。  2.研究期間・対象者・方法   アンケート配布期間2022年6月から同年12月、その間の受診患者数13312人のうち調査対象である「嘔吐 や下痢をしたら」のホームケアを行った406人にアンケートを行った。倫理的配慮は書面で説明し同意を得 た。  3.結果・考察  アンケートの返信は143枚で回収率は35.2%であった。嘔吐時の家庭での水分摂取の方法については 89.7%、受診の目安については82.9%が参考になったと回答した。病気のこどもを目の当たりにした親の不安 や動揺は大きいが、ホームケアの活用はそれらを軽減し、家庭でのケアの実践能力を高めることに有効で あったと考える。

【7-5】頭の形について相談時、どうしていますか? ~生後4か月までの保護者へ のアンケートから見えてくるもの~
*飯泉 哲哉1
1. いいずみファミリークリニック

 二か月からのワクチン接種や4か月健診で「頭の形」について相談されることがあります。その頻度が、最 近増えていると思いませんか? 私自身は、自分自身の経験からこれまで「自然経過観察し、成長を待ちま しょう」と説明してきました。 そんな中、近年ポツリポツリとヘルメット治療をする子を見かけるようになり ました。このままではいけないと思い、「小児の頭蓋健診・治療ハンドブック」を開いてみました。位置的頭蓋変形と呼ばれる私たちが日ごろ目にしてきた頭蓋変形はリスク因子があり、早期の予防的介入が必要である ことが見えてきました。これまでの診療や説明に反省すべき点があったかもしれません。 まずは4か月までの 保護者に対して頭の形についてアンケートを実施し、保護者がどの程度、頭蓋変形に関心をもっているのかを 調査しました。当日はその報告と早期の予防介入としてクリニックでの取り組みについて紹介したいと思いま す。

【7-6】当院における頭蓋骨矯正ヘルメット治療による後頭部左右対称率の改善
*市村 真也1、小西 順也2、細沼 美帆2、辻 健太郎2、河内 亮太2、大野 秀晃2
1. 医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック、2. 株式会社ジャパンメディカルカンパニー

 6か月間のヘルメット治療を終了した位置的頭蓋変形症連続185症例を前向きに検討した。治療前、治療開 始後1か月目、3か月目、6か月目に計測し後頭部左右対称率の推移を比較した。また後頭部左右対称率の初期 重症度レベル毎の治療6か月間の改善率を比較した。 後頭部左右対称率は治療前が81.2±7.0(平均± SD)、1か月後が85.8±6.0、3か月後が88.9±4.9、6か月後が91.0±4.2であった。いずれの治療月数分間にお いて分布に有意差が認められ。観察期間内において治療期間が長いほど改善されるが、特に治療3か月後まで が改善率が高く、徐々に改善率が鈍化していく傾向が認められた。また治療6か月後の後頭部左右対称率の改 善率はレベル1(90<)で2.5±2.5,レベル2(85~90)で5.6±2.6、レベル3(80~85)で9.1±3.1、レベル 4(>80)で13.7±4.1であり、重症度が高いほど改善率が大きくなった。 頭蓋骨矯正ヘルメット治療は位置 的頭蓋変形症の後頭部左右対称率の改善に有効である。