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一般演題4・抄録/調査・報告
【4-1】こどもどこスタッフの進路~次世代のこどもどこへ~
*清水 翔1,9、荒川 明里2,10、富樫 華子3,9、河野 裕佳4,9、阿部 遥5,9、島田 翔6,10、張 慶哲7,10、岡本 茂 8,10
1. 旭川医科大学医学部医学科、2. 中川の郷療育センター 小児科、3. 群馬大学医学部医学科、4. 鹿児島大学医学部医学 科、5. 滋賀医科大学医学部医学科、6. 久留米大学病院 小児科、7. 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小 児感染症内科、8. 洛和会音羽病院 小児科、9. 日本外来小児科学会 医学生・研修医ネットワーク「こどもどこ」、10. 日本外来小児科学会 医学生・若手医師支援委員会
【はじめに】医学生・研修医ネットワーク「こどもどこ」は、将来小児医療に携わりたい医学生を中心 に、第15回日本外来小児科学会年次集会(2005年)で結成、2006年5月に日本外来小児科学会教育検討委員会 所属の団体として正式に承認された。2023年5月現在、北海道から鹿児島までの医学生13名で活動してい る。年次集会でのこどもどこセミナーを含め年数回の勉強会を開催し、小児医療に関する学びを深めてい る。発足から18年が経過した現在も、学生と小児医療を結ぶ架け橋である。一方、当団体に所属していた学生 がどのような進路を歩み、過去の活動が医師人生にどのような影響を与えたのかが調査されることはな かった。【目的】かつて当団体に所属していた医師の進路や当時の活動内容を調査し、学生団体としての「こ どもどこ」の意義を明らかにする。【方法】「こどもどこ」卒業生名簿を基にアンケート調査を行う。【結 果・考察】集計中であり演題発表内で報告する。
【4-2】外的要因による事象を主訴とする電話相談 ~令和3年度 大阪府#8000の報告~
*福井 聖子1、*山下 治子、*坂井 利衣、*阿部 榮子、*廣岡 由紀子
1. NPO法人小児救急医療サポートネットワーク
【目的】 大阪府#8000は19時から翌朝8時まで電話相談を行っているが、発熱など内的要因に加えて、外傷 などの相談も少なくない。大阪府#8000における外的要因による事象を主訴とする相談について報告する
【方法】 大阪府#8000の受付票をもとに、令和3年度1年間の「頭部打撲」、「外傷」、「熱傷」、「誤 飲」の相談と、「手足の痛み」、「その他」のうち外的要因に関する相談を抽出した。
【結果】 総相談件数は61,365件で、うち外因性の相談は13,477件と22%を占めた。対応は助言のみ 35.7%、受診を勧めたのは28.0%と、相談全体の対応各31.9%、23.5%より多かった。その他詳細な結果につ
いても報告する。 【考察】 小児では夜間でも外的要因による事象は多いことが示された。助言のみで済む場 合とすぐ受診を勧める場合が多く、突発的に起きた事象に対し保護者の不安が強いことを反映したと考えられ
た。
【4-3】退院後の新生児に対する産婦人科医の対応に関するアンケート
*福井 聖子1、*阿部 榮子1
1. NPO法人小児救急医療サポートネットワーク
目的:大阪府小児救急電話相談(#8000)では0歳児の相談が多く、新生児も年々増加し、近年生後1週目が 多い。大半は育児相談の類だが、不安の強い保護者や疾患の可能性を否定できないとき、感染症の多い小児一 次救急医療機関紹介に躊躇することがある。新生児医療のネットワークは正常分娩で退院した新生児は対象外 であり、出産施設と小児科医の連携が重要と考えられ、現状把握のため産婦人科医対象にアンケート調査を行 なった。 方法:2023年3月、大阪府内分娩施設産婦人科医123名に配布し56の回答を得た。 結果:自院退院 後の新生児への夜間対応として44名(78.6%)が電話相談に応じていたが、公的な育児相談電話への希望は 8割近くあった。診療時間外に新生児に病気の疑いがある場合、「診察や併設の小児科医が対 応」32(57.1%)、「小児科医を受診するように伝えるが、紹介はしていない」30(53.6%)で、府内全域では 小児科医との連携は十分ではなかった。
【4-4】BCGワクチン接種部位への外用ステロイド剤使用に関する実態調査
*横田 俊一郎1
1. 横田小児科医院
BCG接種部位に外用ステロイド剤を使用している場合のBCG接種への影響について調べた報告はなく、休薬 期間等についても一定の見解がない。医師が個別に判断していると思われ、現状を調べることで接種の可否を 判断する際の参考にできると考え、今回のアンケート調査を実施した。対象は日本外来小児科学会医師会 員。郵送で依頼し、回答はインターネットを利用した。回答数は456、BCG接種前の注意事項として外用ステ ロイド剤に対する注意を掲載していると回答した施設は13.7%であった。接種前の外用ステロイド剤の不使用 期間については「接種前2~3日は接種部位に使わない」が最も多かった。接種に際しての外用ステロイド剤の BCG接種部位への使用の確認については、「ほとんど確認することがない」が56.7%、「全員に確認してい る」が24.0%であった。接種部位への外用ステロイド剤の使用を中止してからBCG接種までの間隔は、当日使 用してなければ接種が29.4%、当日使用しても接種しているが17.7%であり、7日以上あけるという回答も 10.7%あった。
【4-5】モビコール®の溶解飲料の実態調査
*牟田 広実1、井上 佳也2、友政 剛3
1. いいづかこども診療所、2. 井上こどもクリニック、3. パルこどもクリニック
【目的】慢性便秘症治療薬であるモビコール®内服歴のある患者に対し、溶解飲料の実態調査を行い、服薬 指導の参考とすること。 【方法】研究デザインは横断研究。対象は、慢性便秘症のためモビコール®を現在内服または内服の既往が ある児。質問紙を用いて溶解飲料について尋ね、また診療録から内服状況や便通コントロール状態を調査し た。なお、本研究は日本外来小児科学会倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号2022-6)。 【結果】計182人(男:女 68:114)[現在も内服 171人(94%)]より回答を得た。年齢は5.3±2.4歳、内服量は 66±29ml/日、内服歴は1.4±2.4年であった。普段最も溶解している飲料は、リンゴジュース(29%)、乳酸菌飲 料(25%)、水(12%)の順であった。溶解歴がある中で内服できなかった割合が高い飲料は、麦茶(73%)、水 (56%)、牛乳(42%)の順であった。溶解歴がない中で試してみたいと考えた割合が高い飲料は、オレンジ ジュース(42%)、ヨーグルト飲料(39%)、スープ(39%)の順であった。 【結語】これらの情報を提供することで、内服アドヒアランス向上が期待できる。
【4-6】『小児靴の手引き書2023』発刊のご報告
*伊藤 笑子1,2,3
1. 日独小児靴学研究会、2. 合同会社フェルゼ、3. 日本フットケア・足病医学会 学術委員会「子どもの足靴改革ワーキン ググループ」
【背景】日本には靴を選択する際の明確な指針がない。特に小児靴は各メーカーのサイズの不統一や品質の 著しく低いものも混在し、保護者を悩ませる側面がある。
【目的】小児靴選択の指針を示した『小児靴の手引き書2023』を作成し、保護者、幼稚園学校関係 者、医療従事者、行政等に向けての啓発資材とする。
【方法】日本フットケア・足病医学会では「子どもの足・靴改革ワーキンググループ」を設置し、小児の足 の健康を考慮した靴について検討した。CQ項目を選定して国内外の文献を元に委員会内で討議し解答をまと
めた。 【結果】足の成長発達を踏まえた靴の選び方、注意すべき点など多角的な内容で構成した。 【考察】本手引き書は知識がない者にも理解が得やすい構成とし、医学会から発刊された意義は大きいと考
える。 【結語】小児の健やかな足の成長には適切な靴の選択と使用方法の周知が重要である。本手引き書がその啓 蒙の一助となることを目指している。